僕たちは母を介護する 第12話「兄弟」 静かに部屋を出た。あまりの変動に頭の整理がつかない。弟と控室に戻るそのとき、廊下で三男とあった。 「おぉ、お疲れ」私が声をかけると「お、おぉ」と三男が返事をした。三男の隣には奥さんの姿があった。奥さんとも挨拶を交わし、控室にはいった。 内容... 2024.06.15 僕たちは母を介護する
僕たちは母を介護する 第11話「深刻な事態」 何かあったのだろうか。経過報告でもあるのだろうか、それにしても早すぎるし担当医が手術中に出てくることがあるのだろうか。それとも思ったほどのことではなかったのだろうか。いろいろな考えが頭の中に廻った。「あ、終わったんですか?」なんと言っていい... 2024.06.15 僕たちは母を介護する
僕たちは母を介護する 第10話「待機1時間」 その後、また控室に戻った。12時が過ぎた。予定通りなら17時過ぎには手術が終わる。腹が減った。弟も朝から何も食べていない。御袋も、医師たちも頑張っているが、私たちも倒れるわけにはいかない。「何か食べようか。待っている間に俺たちが倒れたらいか... 2024.06.15 僕たちは母を介護する
僕たちは母を介護する 第9話「手術開始」 待合室ロビーにいた私たちは、しばらくして家族が控える部屋へと案内された。とても大きな部屋だった。長椅子が10脚以上あり、一つの長椅子に低いテーブルが備え付けてある。誰もいない。私は、一番手前の長椅子に座り、弟は隣に座った。 しばらく無言であ... 2024.06.15 僕たちは母を介護する
僕たちは母を介護する 第8話「手術開始前」 「人口肛門になるんですか」人工肛門という言葉を聞いたことはある。そして腹部のどこかに人工的な肛門を作るものだろうと想像はできた。しかしそれは人工肛門という言葉から想像していたもので、実際に見たことはない。突然聞く単語に驚きは隠せなかった。 ... 2024.06.15 僕たちは母を介護する
僕たちは母を介護する 第7話「人工肛門」 「レントゲンを見ると腹部上部が白くなっています。これはガスと思われます。」モニターに映し出されているレントゲン写真が、身体のどのあたりなのか分からなかった。しかし、先生が画面の上の方を指しながら言ったのでわかった。画面には下腹部から胸あたり... 2024.06.15 僕たちは母を介護する
お腹の痛みと心の弱さ~過敏性腸症候群の私~ 01「はじめに」 他にもこんな痛みの強い腹痛を経験する人はいるのだろうか? 月に一回以上、痛みに耐える人生・・・ 私は身長175cm 体重55kg。 高校生(18才くらい)の時から、53才の今までほとんど変わることなくこの体型です。 小学校2年生くらいまで... 2024.06.15 お腹の痛みと心の弱さ~過敏性腸症候群の私~
僕たちは母を介護する 第6話「驚愕と平静」 先生が椅子に座り、挨拶をされた。とても若い先生だ。時間のせいだろうか、疲れが少し見られるように感じた。夜勤だったのかもしれない。そんな観察ができるほど、私の心は落ち着いていた。その落ち着いた心と反し、頭の中では先生の次の言葉は「食あたりです... 2024.06.14 僕たちは母を介護する
僕たちは母を介護する 第5話「発症」 「ゆうべの11時ごろ、そろそろ寝ようかと思っていたら、母が俺を呼ぶから部屋を出てみたら、トイレの前でうずくまっていた。」「うんうん」母はよく腹痛を起こすので、いつものかと思い頷いた。弟は続けて、「俺は、『どうした?大丈夫?』と母に聞いたら、... 2024.06.14 僕たちは母を介護する
僕たちは母を介護する 第4話「到着」 A病院まで30㎞くらい、時間にして40分。私はA病院には一度行ったことがあった。それでもナビを確認したのは、最短距離で行こうと思ったからだ。途中、ナビは私が想像していた道とは違うコースを指示したが、迷わずそれに従って走らせた。 草刈り作業の... 2024.06.14 僕たちは母を介護する