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僕たちは母を介護する

第16話「意識」

次男を迎えに行き、病院へ向かう。「どんな状況だろうか・・・」弟が消え入るような声で私に尋ねた。「わからないが・・・何かあったら連絡があるだろう。連絡はなかったから悪い事にはなっていないんだと思うよ。」弟もあまり眠れていないようだ。疲れが顔に...
なおとの随筆集

【随筆】おもちゃの磁石

どこまでさかのぼれるか記憶の時間を逆再生してみたひらがな形をしたプラスチックのおもちゃ近所の友達におもちゃから磁石を外してあげていた使えなくなった文字のおもちゃ親に知られ怒られる恐怖磁石を友達にあけないと仲間外れにされる恐怖一番古い記憶は人...
僕たちは母を介護する

第15話「就寝」

(原因不明・・・)人間の身体のことだ、わからないこともある。医学については全くわからないが、理解はできた。(病院に頼るしかないのは最初からわかっていた。少しでも何かわかればと調べたが・・・原因がわかったところで意味はない。今は御袋の生命力に...
なおとの随筆集

【随筆】自分らしく

生まれてから数十年はじめて一人の生活さみしくなるかなとすこし不安があったけど不思議ととても気持ちが楽自分の思うように生きられる
僕たちは母を介護する

第14話「調べる」

【人工肛門について】人工肛門について調べるため、インターネットで検索してみた。(ストーマ・・・?、オストメイト?)初めて聞く単語だった。何やら人工肛門に装着する器具?のようなものらしい。(これではない…)なぜ腸に穴が開いたのか、その原因を知...
僕たちは母を介護する

第13話「買い物」

次男を送ってから、私は近くのホームセンターへ行った。病院でもらった必要な物品のリストを眺め、コーナーを探した。歯ブラシ・歯磨き粉・はし・スプーン・プラスチックコップ・タオル・バスタオル・ティッシュペーパーにウエットティッシュ、シャンプーに下...
僕たちは母を介護する

第12話「兄弟」

静かに部屋を出た。あまりの変動に頭の整理がつかない。弟と控室に戻るそのとき、廊下で三男とあった。「おぉ、お疲れ」私が声をかけると「お、おぉ」と三男が返事をした。三男の隣には奥さんの姿があった。奥さんとも挨拶を交わし、控室にはいった。内容を簡...
僕たちは母を介護する

第11話「深刻な事態」

何かあったのだろうか。経過報告でもあるのだろうか、それにしても早すぎるし担当医が手術中に出てくることがあるのだろうか。それとも思ったほどのことではなかったのだろうか。いろいろな考えが頭の中に廻った。「あ、終わったんですか?」なんと言っていい...
僕たちは母を介護する

第10話「待機1時間」

その後、また控室に戻った。12時が過ぎた。予定通りなら17時過ぎには手術が終わる。腹が減った。弟も朝から何も食べていない。御袋も、医師たちも頑張っているが、私たちも倒れるわけにはいかない。「何か食べようか。待っている間に俺たちが倒れたらいか...
僕たちは母を介護する

第9話「手術開始」

待合室ロビーにいた私たちは、しばらくして家族が控える部屋へと案内された。とても大きな部屋だった。長椅子が10脚以上あり、一つの長椅子に低いテーブルが備え付けてある。誰もいない。私は、一番手前の長椅子に座り、弟は隣に座った。しばらく無言であっ...
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