第54話「ケアマネージャー」

僕たちは母を介護する

ストーマ訓練が終わり、ケアマネージャーが来るまで少し時間があった。
そのため待つ間、ストーマ訓練の動画を見ることにした。
しかし、長い動画ではないのですぐ見終わった。
それで、ケアマネージャーに質問することをノートに書くことにした。

いくつか質問事項を書いていると15分が過ぎ、ようやくケアマネージャーが到着した。
「すいません。前の利用者で時間が押しまして」
「いえ、大丈夫ですよ。お忙しいところありがとうございます」
そう言って、挨拶を交わした。

しばらく雑談をしていたが、話を進めるような感じがしなかった。
このまま雑談していても仕方ないと思い、先ほど書いたノートを見ながら質問をした。

「まったく初めてのことで何もわからないのですが、今、気になることをお尋ねします」
「はい、どうぞ」
「ストーマ交換方法は学んだのでできるが、介護サービスを利用できる場合の日数や費用なんかはどうなるのでしょうか。また、食事についても朝昼晩の食事の準備や、入浴、リハビリ、デイサービスを利用した場合の費用やベッドや歩行器について、介護サービスを利用した場合、費用はいくらくらいかかるか教えてもらえるのでしょうか」

一度に質問したが、要は、介護サービスで何ができるのか、その費用はどれくらいかかるのか聞いた。
「ストーマ交換は訪問看護にしてもらうことになります。自宅入浴や食事は訪問介護です。リハビリはデイサービスになりますが、デイサービスを利用する日は、訪問介護や訪問看護を利用できないため、食事の問題がでてきます」
「なるほど」
「また、訪問看護も計画どおりにならない場合は、家族でやってもらうことになると思います」

心の中で『うーん』とうなったが、それは仕方ないとも思っていた。
財産がたくさんあれば、気にすることはないが、そうではないので、少しは家族が介護する必要があると覚悟はしていた」
それを知ってか、ケアマネージャーは続けて、
「この町はではヘルパー事業所が減ってきております。昨年でも2事業所が閉鎖しているんですよ。そのためスケジュール調整が難しいことも理解しておいてください」
「わかりました」
「では、それを前提に、費用がどれくらかかるか見積もりを作ります」
「よろしくお願いいたします。いつぐらいにできますか」
「今週末にはお知らせできると思います」
私は自分のメールアドレスを伝え、メールしてもらうことにした。