第27話「身体障害者手帳」

僕たちは母を介護する

御袋が一般病棟に移ったことで、私は精神的にも肉体的にも楽になった。
この2週間、病院から連絡があるのではとスマホを常に持ち歩き、睡眠中も何度か目覚め着信を確認していた。
病院に行くため仕事を途中で切り上げると、その分の作業は翌日に繰り越される。病院への運転と仕事が慣れない身体に負担をかけていた。

しかし、まだ終わることはない。
一般病棟に移った翌々日の日曜日の午前中、久しぶりに外をボーっと眺めていると、病院の看護師から電話がかかってきた。
「人工肛門のストーマは給付金がでるので身体障害者手帳の交付申請してください」
「え!?あ、はい」
この時、理解できたのは身体障害者手帳の交付申請をしなければならないことだけだった。
看護師は続けて、
「手帳の申請は1ヶ月ぐらいかかると思うので、それまでは自費になります。今は病院のストーマを使用しています」
「・・・わかりました」
「あと、今度面会に来られる時でいいので、リハビリ用のシューズを持ってきてください」
これにも驚いた。もうリハビリができるのか?それとも準備。この2日でかなり回復しているのか?
いろいろ頭を巡ったが、とりあえず「わかりました」と回答した。
そして最後に[退院後の介護]についても話された。
実際のところ、この話はどんな内容だったか覚えていない。
この時点で、[退院後の介護]というワードだけを頭にとどめ、話が終わった。

電話を切ったあと、目を閉じた。
ここまではすべて頭の中で整理し判断してきた。
しかし、たった2週間でいろいろな事やワード(言葉)、家族の気持ち考えで溢れている。
この時、すべての会話などのメモをとり記録しようと決めた。
患者の家族ではあるが、一種の仕事として冷静に向き合う。
これにより自分の心と切り分けた。御袋が一般病棟に移ったことで、私は精神的にも肉体的にも楽になった。
この2週間、病院から連絡があるのではとスマホを常に持ち歩き、睡眠中も何度か目覚め着信を確認していた。
病院に行くため仕事を途中で切り上げると、その分の作業は翌日に繰り越される。病院への運転と仕事が慣れない身体に負担をかけていた。

しかし、まだ終わることはない。
一般病棟に移った翌々日の日曜日の午前中、久しぶりに外をボーっと眺めていると、病院の看護師から電話がかかってきた。
「人工肛門のストーマは給付金がでるので身体障害者手帳の交付申請してください」
「え!?あ、はい」
この時、理解できたのは身体障害者手帳の交付申請をしなければならないことだけだった。
看護師は続けて、
「手帳の申請は1ヶ月ぐらいかかると思うので、それまでは自費になります。今は病院のストーマを使用しています」
「・・・わかりました」
「あと、今度面会に来られる時でいいので、リハビリ用のシューズを持ってきてください」
これにも驚いた。もうリハビリができるのか?それとも準備。この2日でかなり回復しているのか?
いろいろ頭を巡ったが、とりあえず「わかりました」と回答した。
そして最後に[退院後の介護]についても話された。
実際のところ、この話はどんな内容だったか覚えていない。
この時点で、[退院後の介護]というワードだけを頭にとどめ、話が終わった。

電話を切ったあと、目を閉じた。
ここまではすべて頭の中で整理し判断してきた。
しかし、たった2週間でいろいろな事やワード(言葉)、家族の気持ち考えで溢れている。
この時、すべての会話などのメモをとり記録しようと決めた。
患者の家族ではあるが、一種の仕事として冷静に向き合う。
これにより自分の心と切り分けた。