第1話「着信」

僕たちは母を介護する
【僕たちは母を介護する】-1「着信」

明日は地区の草刈り作業だ。
今年は班長をしている。
私の地区は班長は持ち回りで、前回班長をしてから12年ぶり。
(草刈り機用の混合油と、お茶のペットボトルは人数分あるな・・)
私の地区では、年に数回草刈りを行う。
だいたい5月くらいから9月くらい、当然だが雑草が伸びる季節だ。
準備としては大したことはないし、作業時間も1時間内。
それでも、不備があってはいけないと気を遣う。
夕方に確認はしたが、夜に再度確認し、寝る事にした。
(今日も一日仕事で疲れたな・・・明日は作業が終わったら少し休むか)
そんなことを思いながら、目を閉じた。

《1日目》

ふと目が覚めたら、スマホの明かりが点いている。
画面にメッセージが表示されていて、見てみると弟からの着信だ。
今の時間は5時15分、着信は4時46分だった。

なにかあったのか?という気持ちも思わず、しばらくスマホを眺めていた。

画面をタップし、発信。

「どうした?」
時間的には「おはよう」というべきだろうが、時間も時間なので急用と思い、要件を聞いた。